負圧式キャブレターミクニBSTキャブレター-オーバーホールを自分でやるとFCRを導入する理由が理解できる
前回の続き的な投稿になります。
負圧式キャブレターミクニBSTキャブレターのアイドリング調整-ドカティ-モンスター取外し
最後の締めに感想を書いていきますと書いています。
感想を書いていきます。
バイク屋さんからするとキャブのオーバーホールをして元の状態に戻すという事は日常茶飯事かもしれません。
私はバイク屋さんではありませんが、これについては類似の作業をしています。
同等と言うには仕事としてちゃんとされている方とはやり方や視点が違ってきます。
私の場合は自分でセッティングをしてみたいや自分で直してみたいが優先事項です。
負圧式キャブレター前回書いていない具体的なセッティングや負圧バランスについて書いていきます。
それではレッツスターティン!
バランスの調整
FCRは最低ラインの調整方法としてはバルブの高さが目視で合っている事です。
バキュームゲージで数値的な調整を行った方がよりベターです。
では負圧式キャブレターはどうでしょうか?
バキュームゲージ必須でございます。
理由は負圧式キャブレターはキャブレターのバルブの開閉をエンジンが空気を吸い込む強さで行っているからです。
揃えておかないとキャブレターの調子が悪くなります。
これは仕組み的な問題です。
結果としてですがアイドリングポートの穴の広さを目視で揃えるとぴったりと合いました。
2気筒なので揃えやすいのかもしれません。
ドゥカティモンスターBSTキャブレター
ドゥカティモンスターBSTキャブレター
ドゥカティモンスターBSTキャブレター
写真の小さな穴がアイドリングポートです。これをプラスドライバーで調整出来る造りになったいます。左右を目視で大体同じ位の広さになるように調整します。結果としてはこれだけで同調は取れた状態になりました。
最後にバキュームゲージでの確認は必須です。
本来であればバキュームゲージを確認しながら調整をするのが正しい手順です。
私が作業したドゥカティモンスターの場合はエキパイから負圧の取り出しが出来たのでそちらから取り出しました。マフラーによっては取出しが出来ないタイプがあるかもしれません。
負圧が取り出せそうなところがマフラーのエキパイ部分しか私にはみつけられなかったのですが、
他にもあるかもしれません。キャブやヘッドから負圧の取り出しが出来るバイクもありますので、
ご自分のバイクがどのようになっているかはタンクを外した時など機会がある時に確認をしてみてください。
エアクリーナーボックスがあると作業出来ません。
エアクリーナーボックスがあるとキャブの作業の手間が増えます。
毎回ばらして組み上げて確認してと時間がかかり過ぎて何をしているのか分かりません。
セッティングなどは出来るような作業効率ではありません。
ドゥカティは特に傾向が強いのですが、
エアクリーナーボックスに色々と取付けるような設計になっています。
エアクリーナーボックスとバッテリーケースが一体のような造りになっています。
エアクリーナーボックスを簡単に撤去できません。
ドゥカティでエアクリーナーボックスをキャンセルする方法はエアクリーナーボックスをくり抜いて、パワーフィルターを取付けるというような流れになります。
バッテリーケースやステーを新設する方法もあるかもしれません。
細かく自分でセッティングを出したいなら、エアクリーナーボックスは撤去するべきです。
エアクリーナーボックスを撤去すると今度はセッティングががらりと変わりますし、
雨天走行不可など走行条件やエンジンの寿命なども気になります。
メーカー出荷時のキャブについて
エアクリーナーボックスがあることによってキャブの個体差を少なくしているのかもしれません。
キャブは調整するものではなくて調子が悪くならないようにするというような設計思想なのだと思います。
セッティングについては、
ジェットニードルの番手はよく分かりませんでしたがクリップは上から4段目、
メインジェットは70
PSの戻しは2回転。
この辺りがメーカー出荷時のセッティングだと思われます。
ASはありません。
PSの戻しについては私はシリンダーごとに変更はしていません。
理由は判定がしづらいからです。
シリンダーごとに違う戻しをして判定するよりは同じ戻しにして判定をした方が分かりやすいですし、大きな効果も見込めるとは現在では考えていません。
バイクの種類によってはシリンダーごとの調整がやりやすい場合もあるかもしれません。
ドゥカティモンスター
ドゥカティモンスター
ドゥカティモンスターBSTキャブレター
キャブセッティングをしたいならノーマルキャブレターからレーシングキャブレターに変更した方が良い理由
理由としてはエアクリーナボックスの着脱が面倒だから。
キャブを分解してみたらわかるのですが、そもそもエアクリーナーボックス有と無しではキャブの様子が違います。おおむねエアクリーナーボックス無しにするだけでかなりのパワーアップを実感出来ることが多いはずです。
そもそもノーマルキャブレターはエアクリーナーボックスがある状態を考慮してセッティングしてあります。また、調子が悪くなりにくいように幅を持たせてあるのでピーキーなセッティングではありません。調子が良くてパワーがあるセッティングは条件が変わると調子を崩しやすいです。
自分でしょっちゅうキャブを触り始めるとエアクリーナボックスがあってアクセスしにくくて、
何だかふわっとした感じでセッティングを進める負圧式キャブレターよりは、
どれ位のアクセル開度でどんな変化をするか判断がしやすい強制開閉式のキャブレターの方を選択するのは理にかなっています。
あとは口径を多少大きくするなどパワーを出す為に重点をおいた選択肢が増えます。
ノーマルの負圧式キャブレターの良い所書きます。
スロットルに関してほんのちょっとマイルドになります。
スロットルの入力に対して操作が遅れると書かれている事はありますが、
通常ではほとんど体感出来ません。
低速でスロットルを突然急開してほんの一瞬遅れてレスポンスが上がる瞬間がスロットルのラグです。
強制開閉式のレーシングキャブレターはそういったことをするとボコついてストールします。
スロットルの操作についてはFCRなどのレーシングキャブレターのようにライダーがスロットルの操作に気を使うような場面は少ないというかほぼ無いと思います。
スロットルを急開してもストールする事もないです。
少なくとも私はスロットルを急開してストールしたことはありません。
調子が悪くなる事が少ないのでパワーが出ているか出ていないかもすぐに分かりくいです。
調子が悪いと感じる時は本当にどこかに不調があります。
私のイメージは負圧式のキャブレターは雑にスロットル操作が出来て乗りやすいという特徴があるキャブレターです。
ピークパワーや最高速は理論上ではレーシングキャブレターと同じです。
負圧式キャブレターの弱点-セッティングパーツが少ない
ジェットニードルの種類が圧倒的に少ないです。
キャブレターの種類によってはジェットニードルのクリップ段数も簡単には変更出来ません。
そもそも、ジェットニードルにクリップ段数と言う概念が存在しない状態の物もあります。
※出来る物もあるとは思います。
ジェットニードルを触りたい場合は後付けのセッティング製品を選択するなどになります。
FCR目線で考えるとクリップ段数の変更はバイクの状態を大きく変化させます。
しかもレース以外の走行では最もよく使うスロットル開度1/8から3/4程度にまで影響します。
全体的に影響を与えていると言っても過言ではありません。
※範囲の話はFCR目線です。
そのジェットニードルの選択肢が少ないというのは自分でキャブいじりをするという観点から考えるとあまりうれしい状態ではありません。
おおむねどのジェットニードルでどのようなセッティングにするというのは決まっているので、
選択肢が少なくても困るという事は基本的にはありません。
セッティングが必須のバイク
エンジンをチューニングしたバイクはセッティングが必須となります。
この際にノーマルの負圧式キャブレターは使えなくなる場合があります。
理由は上記の通りでセッティングパーツが少ないからです。
当然と言えば当然の話です。
ノーマルの負圧式キャブレターはノーマルのエンジンのノーマルの状態でセッティングされています。チューニングしたエンジンとは相性が悪くなってむしろ普通です。
負圧式キャブレターミクニBSTキャブレター-オーバーホールを自分でやるとFCRを導入する理由が理解できる【まとめ】
ノーマルのキャブレターのメンテナンスをしてみたら解るのですが、
1回何かを触る度に、タンクを外して、エアクリーナーを外して、付属するパーツを外してという作業を繰り返すと無駄な時間を過ごしている気が付きます。
手間の割に得られる内容も少ない場合が多いです。
バイク屋さんに頼んでも清掃をして同調を取って、パイロットスクリューとアイドリングを調整するという決まった内容以上の事は難しいと思います。
中には徹底的に現在のキャブレターの良い状態を引き出してくれるようなバイク屋さんもあるかもしれませんが、相当の手間暇時間をかけているはずです。
ノーマルキャブレターは細やかなセッティングやメンテナンス性が低いという観点で、
キャブいじりをするのはレーシングキャブレターがおススメと言わせて頂きます。
裏を返せばセッティングというよりは、メンテナンス感覚でノーマルキャブレターを触るのは非常に有用だと思います。
セッティングが出来ないと言うよりは、メーカー指定の正しい状態が明瞭だからです。
というわけでドゥカティモンスターを通してのノーマル負圧式キャブレターのコラム的なお話を終了いたします。
それではシーユーアゲイン!
作業写真等
こんなに面白いバイクあるのかなと思わせてくれます。
速いし、軽いしメンテナンス性も良いし、カスタムパーツも豊富です。
金銭感覚は人によって違いますが中古市場でのお値段は現在でも手が届く範囲です。
ドゥカティ-モンスター900
ドゥカティ-モンスター900
ドゥカティ-モンスター900
ミクニBST-負圧式キャブレター-ドゥカティ-モンスター-900SS
ドゥカティ-モンスター900-ミクニ負圧式キャブレター-キャブヒーター-BDST38
ドゥカティモンスター
ドゥカティ-モンスター900-ミクニ負圧式キャブレター-キャブヒーター-BDST38
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