CBX1000のFCRを購入してから初めてのセッティングのやり方

CBX1000 説明書・マニュアル
CBX1000FCRメンテナンス説明書・マニュアル
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CBX1000のFCRを購入してから初めてのセッティングのやり方

CBX1000にレーシングキャブレターを取り付けたいという方は多いと思います。
簡単な選択肢としてBITOさまのFCRかCRSキャブレターになると思います。
TMRも特注で作れる様子です。
私が現在購入するなら、FCRを選びます。
理由は2つあります。
・FCRとCRSはケーブルが2股ではないから。スロットルシャフトがリンクになっている様子です。
・性能がCRSより良いから。性能だけで言えばTMRを選びたいです。
性能という点と一般に普通に購入が出来たという点で私はFCRを選択しています。
CBX1000にFCRを取り付ける事前提でテキストベースでざっくり書いていきます。

FCR以外の準備物

FCRを買ったらそのまま取付は出来ると言えば出来るのですが、車体にフィッテングさせる為に必要なパーツもございます。バイク屋さんなら手元に常備していたりするような物もございますが、
DIYで作業をされる方は追加で購入が必要な備品もあると思います。

・スロットルワイヤー
専用の形状になっているので、スロットルワイヤーをFCR対応に交換が必要です。

・ハイスロットル or 別体型のスロットル
純正スロットルでも装着出来る様子ですが、交換しておいた方がよいです。要はスロットルワイヤーが装着出来てスロットルバルブを全開まで動かせれば問題はございません。

・薄型スイッチ
スロットルホルダーを変更したら必要になります。右スイッチは使えなくなります。

・フューエルフィルターとフューエルホース
ろ紙タイプではなくメッシュタイプのフィルターをおすすめいたします。

・ブローバイホースとブローバイタンク
エアクリーナーを外しますのでブローバイホースを別途取り廻す必要があります。
オイルキャッチタンクなどもおしゃれな物があるようならご自身の気に入る物をおつかいくださいませ。

ファンネルとパワーフィルター

ラムエアなどの被せるタイプのスポンジを使う場合はファンネルのサイドをカットしておく必要があります。キャブのピッチが短すぎてスポンジを取り付ける事が出来ません。
パワーフィルター車体に干渉しやすいのでサイズを十分確認してから購入してください。
私はパワーフィルターを使った事がないので正確なサイズは不明です。
私のようにかなりの回数FCRの着脱をするのであればラムエアがおすすめです。
年に数回程度スクリューしか触らないという方はパワーフィルター良いと思います。
直キャブや茶こしフィルターなどはオススメいたしません。

作業をざっくりと解説

エアクリーナーボックスを外すのが1番大仕事だと思います。
次は右スイッチとスロットルを交換です。
スロットルワイヤーは先にホルダー側に装着しておいた方がよいです。
FCRは装着前にスクリューやジェットなどの番手を確認しておいてください。
エンジン回りの清掃なども一緒にしておいた方が良いと思います。
ブローバイホースなどを取り廻してFCR本体の取付準備完了となります。
文章にすると数行ですが、上記の作業は随分と時間がかかるはずです。
頑張ってください。

FCRの取付

まずはFCRの初期セッティングを確認しておいてください。
私がBITOに電話して聞いた初期設定は
【CBX1000のBITO出荷時のFCR初期セッティング】
SJ-40
PS-1.45分戻し
AS-1.30分戻し
JN-90FXM#3 or 90GTM#3
MJ-130
です。古いFCRだと90FTMが入っています。
セッティングはおそらくそんなに外れていないです。

エアスクリューとパイロットスクリューは5分ずつ程度で締めてざっくりと確認してください。
取り付けたらスロットルワイヤーをFCRに取付てスロットル全開時にスロットルバルブが全開になるかどうかを確認してください。
次はタンクを付けたい所ですが、通称点滴と呼ばれるサブタンクを取り付けてエンジンが始動出来るか確認です。

エンジン始動時のパイロットスクリューの調整

エアスクリューとパイロットスクリューを1.0戻しに調整してください。
工具はキャブスクリューが必要です。
パイロットスクリューだけ15分ずつ濃い方向に開いていってください。
エンジン始動性がよくてアイドリングがほどほどに続く所があるはずなので探してください。
2.0戻しを超えると変化が少なくなると思いますが3.0程度まで探してみてください。
6気筒とも同じ戻しでよいです。空燃比計があれば、エンジンが温まった時に12.5~13.2程度で
安定するパイロットスクリューの戻しが良いと思います。
空燃比計を取り付けていない事を前提に書いていますが、空燃比計があると非常に簡単にパイロットスクリューの適正値が分かります。
クリップ段数を変更したり、エアスクリューを触った後はもう一度ここをやり直します。
パイロットスクリューを調整してエンジン始動性が微妙な感じならスロージェットが手元にあれば、濃い方向に1段階かえてみてください。逆にパイロットスクリューを全閉めにして始動性が良い状態でしたら現在は濃過ぎなので薄い方向にスロージェットを変更してください。
スロージェットはおそらくデフォルト値の42番で大丈夫だとは思います。
スロージェットはスクリューの戻し調整の起点となります。
スクリューが大きく開き過ぎるとあまり良い事にはなりません。

エアスクリューの調整

エアスクリューを5分ずつ薄い方向に開いていってください。
シリンダーで言えば、
1、2、3、4、5、6
というような順番で開けていくと回転数が上がるポイントがあります。
1回触ってから10秒程度待つのがポイントです。
回転数が【2】番で上がったら残りの3、4、5、6も同じ戻しに調整してください。
次に1番から6番シリンダーまで5分ずつエアスクリューを薄い方向に調整してみて変化がなければ、
この時点の作業終了時から5分か10分戻したエアスクリューの位置が適正だと思います。
初期設定も分かっているし、私も何度も触りまくっているいるので、そこまで大きくエアスクリューの位置は外れないと思います。
エアスクリューの戻しは各気筒均一でも問題はないと思います。安価な物にはなりますが、デジタルタコメーターで測った感じではおおむね各気筒ずれ込むようなエンジンではなさそうです。
デジタルタコメーターで計測したい場合はエアスクリューは回転数があがったら1.0の規定の位置に戻して計測した方がよいです。正しいやり方かどうかは分かりませんがエアスクリューを調整したシリンダーに釣られるので他のシリンダーを触ってみても変化が分かりにくいように思います。
私も各気筒ごとに調整を試みましたがCBX1000の場合は大きな変化は感じ取れなかったので、
6気筒全て同じ戻し調整にしています。

フューエルタンクの取付

ここまで来たら試走できます。
フューエルタンクを取り付けてください。
試走した時に見るポイントですが、
①発進性がよいか?スロットル開度1/4までの低速域でパワー感はあるか?
②スロットル開度1/4程度でボコ付きは無いか?
上記2点を見たら本格的なセッティングが出来ます。
一般道を普通に走るだけなら問題は無くなると思います。

①はエアスクリューで調整出来ます。エアスクリューはアクセス性がよいので触りやすいのと、
1.0戻し辺りだと5分程度調整しても変化が分かりやすいです。エアスクリューの調整が規定値を超えるようなら、スロージェットを交換するか、クリップ段数を変えてもよいと思います。

②はクリップ段数が適正な位置にあるかどうかを見ます。適正な位置にないならまともに走れません。まともに走れるなら適正な位置にあります。逆にクリップ段数を適正でない位置に変更して、まともに走れないクリップ段数を確認してもよいと思います。

ここまで作業をしてまともに走れると感じたならセッティングは概ね終了です。

ジェットニードルの選定はどうする?

前提としてジェットニードルは選べないというつもりで記載しています。
ジェットニードルの番手は
90FXM#3 = 90FTM#1
だと思ってください。
90FXMは特殊な切り上がりなので、
90FTMや90FTNや90FTP
などからストレート径を変更した番手を選ぶと思います。テーパー角を交換すると、
1からセッティングスタートになるので今回のお題とはずれると思います。
適切なクリップに変更したりしながら、脱初心者を目指す際にジェットニードルの選定をしてみてください。ざっくりとセッティング出ている状態だとストレート径は1番手ずつ変えた方がよいと思います。

メインジェットの選定はどうする?

メインジェットはアクセス性が高い部類には入るので頻繁に変えてもよいと思います。
強く締め過ぎるとねじ切れることがありますので注意が必要です。
スロットル開度1/2から全開までの加速フィーリングに変化があります。
スロットル開度3/4程度までであれば一般道で体感で選ぶ事が出来ます。
全開走行まで確認しようとすると試走に関しても相当の慣れが必要だと思われます。
スロットル開度3/4程度までで確認をしておいて、慣れてきたころに全開時のメインジェットを選定してみてください。おおむねずれてはいないと思います。1番手か2番手程度変更させながら様子をみるとよいと思います。番手は1桁が0、2、5、8となっています。
まとめ売りしているパッケージを6個購入すると揃えやすいと思います。
絶対的ではないのですが目安として空燃比で言えば、数値で10ほどずれると、空燃比で1程度ずれるという位で見ておけばよいと思います。
私はメインジェットの最良な選択方法を発見出来てはいませんが、概ね上記の方法で選定しています。たまに高速道路で全開走行して加速感をギアごとに見ながら選定しています。

セッティングはどこまでするか?本格的にするには?

CBX1000のセッティングを適度にするというなら、
エアスクリューとパイロットスクリューをちょっと触る位で十分です。
あとはジェットニードルのクリップ段数を1段変えて変化を楽しんだり、
スロットル開度1/2から3/4あたりをメインジェットを変更して楽しんだりという程度です。
上記はセッティングするというよりは変化を楽しむ要素の方が強いと思います。
よくなったら、ラッキー位で何となく交換してみても良いと思います。
本格的にセッティングをしたい方はジェットニードルを変更する所からスタートする必要があります。テーパーで【G】を選んでセッティングをするか、ストレート径で【R】など薄いジェットニードルを選ぶ必要があります。定番ストックのジェットニードルではおそらくクリップ段数が足りません。クリップ段数が足りないのでBITOさまも初期セッティングのジェットニードルを90FXMを採用しているのだと思います。

CRキャブレターを選ばない理由

私がCRキャブレターを推していない理由を書いておきます。
ズバリ性能です。レーシングキャブレターは性能を上げる為に装着する物です。
FCRと比較した時に性能が低いCRキャブレターを選ぶ理由がありません。
TMRについては普及率や特殊性の点で断念はしていますが、通常に購入できる範囲で
存在するならTMRキャブレターを装着していると思います。
レースのレギュレーションでCRキャブレターが必要な場合のみの選択肢かなと思っています。
CRキャブレターの方がデザインがクラシックだと思われる方もいらっしゃいますが、
クラシックな方が良いなら純正キャブのままの方がよいと思います。FCRもクラシックな領域にあります。デザイン優先でスペシャルパーツを選ぶと目的がずれてしまうと思います。
CRキャブレターを入れるなら相当な拘りを持って導入する事をオススメいたします。

CBX1000のFCRを購入してから初めてのセッティングのやり方【まとめ】

上記まででおおむねまともに走行できる状態になると思います。
触らない所はトラブルがない完調な状態という事前提で作業を進めた方がよいです。
CBX1000は古いバイクです。
エンジンのコンプレッションやオイル下がりなど言い出せばキリがありません。
プラグは交換しておいた方が良いですし、点火系もASウオタニSP2などに変更しておいた方が絶対的によいです。完調なバイクである事は第一優先です。しかし、それは当たり前な事です。
当たり前な事が出来ないのも現実でございます。
取付についてはやろうと思えば誰にでも出来ます。
セッティングに関しては聞き先もないと思うので参考にはして頂いて良いと思います。
苦情があっても責任は取れませんが、知っている事があれば教えたりは出来ます。
ここまで読まれた方はCBX1000にレーシングキャブレターを取り付けたい方だと思います。
FCRは触りだすとバイクが非常に楽しくなるツールです。
頑張ってFCRライフの扉を開いてくださいませ。
それではシーユーアゲイン!

※下部に写真ギャラリーを掲載しております。

CBX1000写真ギャラリー

日差しが明るい所で撮影した写真を集めてみました。
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