【FCR or CRS】CRSキャブレターには加速ポンプはありません。ノーマルに加速ポンプを搭載しているか要確認!

Z1000MK2-CRS仕様 FCR
CBX1000FCR
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【FCR or CRS】CRSキャブレターには加速ポンプはありません。ノーマルに加速ポンプを搭載しているか要確認!

コラム的な投稿になります。
キャブレターの選択の際の参考にしてください。
キャブレターをリプレイスする時の選択肢は【FCR】【TMR】【CRS】の3通りが通常の選択になるはずです。
そこにヨシムラがカスタムしている【TMR-mjn】が加わり選択肢は4通りとなります。
FCRのみ対応のレーシングキャブレターも多いかもしれません。
ピッチさえ合わせればどのキャブレターでも装着は出来ます。
加工の手間などを考えると現実的ではない場合があります。
レーシングキャブレターの換装前にノーマルのキャブレターに加速ポンプが付いているかどうかを最初に確認してください。
あなたのバイクに加速ポンプが必要か否かの判定になるはずです。
結論から先に書くと、
『ノーマルで加速ポンプが搭載されている場合はFCRの使用がベター』
と伝えたいのです。
普通に考えればメーカーが必要だと言っている機能をオフにする必要は無いはずです。
キャブレターの選択の私見を書いていきます。
それではレッツスターティン!

CRSを選択する理由を考えよう!

①CRSのレトロな雰囲気が良い
ノーマルのキャブレターをオーバーホールして使った方がよいかもしれません。

②懇意にしているバイク屋さんがCRS推し
セッティングが出来る人ならどのキャブレターでも大差はないと言われるはずです。

③CRSが好きでしょうがない
ぜひともCRSを装着してください。

④サーキットでのレギュレーション
CRSを使うかノーマルキャブレターを使うかは要件等です。
レーシングキャブレターの方がメンテナンス性は高いです。

上記がCRSを使う理由になると思います。

加速ポンプを無しにするとまずいことがあるのか?

スロットルを急開した時に燃料不足の症状が出ます。
ノーマルキャブレターで加速ポンプが搭載されている状態であれば、
エンジンの特性上は必要な機構となります。
セッティングで必要なスロットル開度を濃くしたりして対応は出来るのかもしれません。
しかし、空燃比で対応をするのとノズルから直接燃料を噴射して対応するのでは仕組み自体が違います。
CBX1000については6000RPMからピーキーなエンジン特性があります。
その分スロットル低開度が担当する4000RPM以下はパワー感の無いバイクです。
こういったエンジン特性を加速ポンプでカバーしているのかもしれません。
最高速についてはキャブレターの口径が同じならば理論上はどのキャブレターでも同じになるはずです。

レーシングキャブレターはメンテナンスとセッティングがしやすいですか?

レーシングキャブレター良い点をいくつか挙げます。
①ジェットニードルの選択肢が多くセッティングしやすい
②アフターパーツが豊富
③メンテナンス性が高い

①についてはキャブレターの長い歴史の中でノーマルキャブレターをカスタム出来るようなアフターパーツも多々ございます。ジェットニードルの選択肢が多くても実際に使う物は限られてきます。
そもそもノーマルのキャブレターではジェットニードルのクリップ段数が設定出来ない物もあります。

②については長い歴史の中でノーマルキャブの補修パーツやカスタムパーツも販売されています。

③についてはキャブレターという仕組み上大差はないように感じます。
エアクリーナーボックスを排除すればキャブレターのアクセス性もそこまで変わりません。

①~③についてはレーシングキャブレターの方が優れてはいますが車種によっては大差はあまりない場合もあります。セッティングをするのであればセッティングをする事を前提で作られているので利便性が高いのは間違いありません。

【CR】と【CRS】の違い

CRはレース専用キャブレターです。
アイドリングを考慮して造らていません。
CRスペシャルキャブレターはCRを一般向けに改良して販売しているキャブレターです。
アイドリング部分やジェット類の規格などを統一してしっかりと固定した物と思われます。

負圧式と強制開閉式の走行レビュー

ノーマルキャブレターは基本的に負圧式キャブレターで空気の吸入効率を負圧を利用して自動で調整します。
対してレーシングキャブレターは空気の吸入効率をスロットルで任意に調整出来ます。
強制開閉式のキャブレターはスロットルワイヤーとスロットルバルブが連動して動くようになっています。
スロットルの操作とエンジンの動作にラグが無いと言われています。

実際の所はそこまで体感出来るようなレベルではないかもしれません。
レースの世界でも負圧式キャブレターを使用しているケースもあります。
ノーマルキャブレターからFCRに変更した時にはパワーアップの幅が凄まじいので、
強制開閉式の方が素晴らしいという風なイメージがあるのかもしれません。

CRSのレトロな雰囲気が良いならノーマルを選択した方が良い?

CRSとFCRを比べた時に雰囲気が旧車に似合うからで選択するのは正しいのか?
ルックスで選ぶならノーマルキャブレターをオーバーホールして使った方が安価です。
中古になってしまいますがノーマルキャブレターを購入してブラストをかけたり、
再塗装をするのが1番レトロな気はします。
チューニングエンジンに対してキャブレターのセッティングの都合でCRSに変更をするケースも考えられます。
レトロが良いのにノーマルキャブレターの相性が悪いほどチューニングを施すというのも矛盾があります。性能を追い求めるならFCRかTMRを使うべきです。

キャブレターの変更理由はオーバーフローをしたから

キャブレターを変更する理由のトップ3には入っていると私は勝手に思い込んでいます。
オーバーフローは初めて見た人はびっくりするかもしれませんが、
キャブレターを軽く叩けば直る事がほとんどです。
キャブレターを1度でも分解をしたことがあればびっくりするような症状ではありませんし、
原因やトラブル箇所もすぐに特定出来る可能性が高いです。
オーバーフローをした程度でキャブレターを買い直していたらお金がいくらあっても足りません。

CRSとFCRのすぐに分かる違い

目に見える大きな違いを書いていきます。

・チョークレバー
CRSにだけ存在する機能です。FCRは加速ポンプを捻って代用をするので不要という位置づけになっております。
走行に直接関わる機能ではないのでCRSの大きな利点とは言いにくいです。

・PSスクリュー
FCRにだけ存在します。CRSでは加工してPSを装着したりするカスタムも存在する様子です。
ノーマルキャブレターはエアスクリューが存在しないケースもあります。

・加速ポンプ
今回のお題目となる機能です。
CRSには存在しません。
FCRとノーマルキャブレターには存在します。
加速ポンプがなぜついていないかは私には分かりません。
当時のレースシーンで取り付けてはならない機能だったのかもしれません。

・スロットルのフィーリング
CRSは重くてスロットル開度が狭い印象があります。
逆にFCRの方は軽くて広くなる印象があります。
どちらが良い悪いではありません。
この点についてはライダーの好みです。
スロットルパイプを変更したりスプリングのレートを変更する事で好みの状態に出来ます。

その他にも色々と違いはありますが上記が誰でもすぐに分かる違いです。

初心者向け-【CRS】と【FCR】どちらを選ぶ?

【CRS】【FCR】【TMR】【TMR-MJN】のおおむね4点のキャブレターが選べます。
FCRとTMRならおおむねTMRの方が性能が良いです。
FCRとTMRであれば全体的にTMRの方が優れている印象ですがFCRの方が部分的に優位性もあるので好みが分かれるところです。
TMRとTMR-MJNであればジェットニードルをヨシムラが開発したタイプに変更されて販売されています。
本題ですが【FCR】を選んだ方が良いです。
理由は【CRS】を装着したあとにFCRに変更をしてみたいと思う事はあっても逆はほぼ無いからです。
理由はスロットルの重さや性能面でFCRに変更をしてみたくなるケースが多いように思えます。
セッティングに関して言えばどちらが良い悪いもありませんので頑張って煮詰めていくだけです。

【FCR or CRS】CRSキャブレターには加速ポンプはありません。ノーマルに加速ポンプを搭載しているか要確認!【まとめ】

キャブレターの選択をする時に加速ポンプの有無は基準の一つとして検討をしてみてください。
結局の所ですがCRSを選択する時は、
・価格
・レースのレギュレーション
・ルックス
が大きな要因になると思います。
バイクは車と違ってカスタムの自由度が高い乗り物です。
特にキャブレターを搭載しているような旧車世代のバイクであれば尚更自由度は高くなります。
CRSについては換金性も低くはありませんから先にCRSを装着して不満があればまた別のキャブレターに変更をするという選択肢もあるかと思います。
それでは今回はこの辺りで終わります。
シーユーアゲイン!
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