FCRセッティング-プリセッティングからジェットを探す順番
CBX1000のFCRの相談をメールで受けました。
アマチュアですが、私なりにですがマメにセッティングして情報発信しているつもりです。
商売でやっているわけではありませんが、ウェブからリアクションがあったりすると非常に嬉しいです。現在進行形でFCRのセッティングをしているので、過去に書いている事と、
現在書いている事が違う場合もあります。
今回は自分なりに工場出荷時からFCRのセッティングを行う順番を書いていきたいと思います。
空燃比計は装着している事前提で書いていきたいと思います。
空燃比計を付けるのは手間ですが、FCRを最初に取り付ける時に同時にやれば、
時間的なロスも少ないと思います。
前提としては最初はバイク屋さんかカスタムショップに取り付けてもらうと思います。
その時に同時にお願いすればよいだけです。
マフラーに空燃比計のセンサーを溶接する必要があるので、個人レベルのDIYでは少々難しいと思います。自分でマフラーを外して設備がある工場にお願いするか、
バイク屋さんが溶接をしてくれるような状況ならそこでお願いするのがベターです。
現在の私が新品のFCRを買ってから1日程度で出来る範囲で記載していきます。
それではレッツスターティン!
前提としてプリセッティングは工場出荷状態
雑な感じで進めていくようになりますがご了承ください。
工場出荷状態を装着してエンジンはかかるのではないかと思います。
同調も完璧ではありませんが、気にならないレベルではあっている事前提で進めます。
油面についても適性という事が前提です。
ジェット類の番手のチェックもしてスクリューを1.0、又は工場出荷時の位置にしておいてください。メモはしっかりと取るようにしてください。
どんな風にメモを取ればよいか分からない場合はセッティングマニュアルにメモ用のひな形があります。セッティングはABテストの繰り返しなので、履歴は必須でございます。
①空燃比計を見ながらエンジン始動スロージェットとパイロットスクリューの調整
空燃比計を見ながらPSを15分程度ずつ開けるか閉めるか回していきます。 この時点では冷間時からなので、空燃比が13.5位になっていると思います。 空燃比計がついているとセッティングの調子が悪い時にジェットの番手を濃い方向か薄い方向か? どちらに振ればよいのか一目瞭然になります。空燃比計が無い場合は、良い悪いの2点しか分からない場合があります。 そして、エンジンがかかると段々と空燃比が落ち着きます。空燃比計が12.8程度を示すくらいまでパイロットスクリューを調整します。スロージェットが適正な番手なら時計の針で15分程度動かせばスロットル全閉めで変化があると思います。パイロットスクリューの効きが鈍いようでしたら、 スロージェットの番手を変更します。パイロットスクリューの閉めは時計の針表記で 30分~2.30分戻し程度の範囲を外れたらスロージェットを交換すればよいと思います。 ギリギリ限界までパイロットスクリューを回しても良いかもしれませんが、 スクリューに回す余裕をもっていないとセッティングするのが面倒くさい事になります。
②発進のみでエアスクリューを調整
試走というレベルではないですが、 スムーズに発信できるか確認しながらエアスクリューを調整します。 ①をクリアーしているプリセッティングのFCRならおおむね問題なくエアスクリューの戻しがみつかると思います。 エアスクリューを締め過ぎているとエンストします。 開けすぎるとパワー感が無いスカスカな状態になります。 パワー感のないスカスカな状態を見つけたら薄過ぎるのですが、 そこからまともに発信できるエアスクリューの戻しをみつけたら概ねその辺りがベストなエアスクリューの戻し位置です。そこからさらに濃い目にエアスクリューを調整しても問題はありません。 好みでどうぞ。
③ジェットニードルのクリップ段数の設定
クリップ段数を薄い方から、濃い方向に順に振っていきます。 スロットル開度で言えば1/2程度までです。 街中の法定速度を守る事前提で走行します。 結論的に言うと走れないダメなクリップ段数を見つけた方がよいです。 ストレスなく走れる状態であればクリップが2段程度ずれていても問題はないかもしれません。 空燃比計を見ながらセッティングしてもよいと思います。 加速感が有る状態で12.0から13.0の間に入っているとよいと思います。一瞬急激に濃い状態を示すようでしたら、加速ポンプが濃い過ぎるなどの影響が出ています。 オフになど調整はすぐにはしなくてもよいです。 すぐに加速中なら加速ポンプの効果はすぐに落ち着くので、 良いなと思うクリップ段数を決めてください。 すでに適正なクリップ段数にあると思うなら逆にこれは使えないというクリップ段数も 現在のジェットニードルの中には有ると思いますから探してみてください。 空燃比計の数値だけ見てセッティングをすると薄いような状態になって加速感の低いセッティングになってしまう事もあります。自分が楽しいなと思えるクリップ段数で決めてください。 ストレート径やテーパーについてはプリセッティングのままで問題ありません。 セッティングを自分が納得いくまで突き詰める時に交換してください。 どうしても決まらない場合は切り上がりを変更したジェットニードルを交換してください。 切り上がりで対応出来ない場合はテーパーを変更すれば、切り上がりを2段分変更したジェットの選定になります。
④メインジェットの選定
事前にメインジェットのセットを購入しておいた方が良いです。 メインジェットの番手の数値で5刻み程度で交換しながら試します。 スロットル開度1/2から3/4程度の加速感を見て決めてください。 ジェットニードルのストレート径とメインジェットの組み合わせでおおむね決まります。 テーパー角はセッティングの要因の一つのようにマニュアルには書いてありますが、 テーパー角を変えると別のセッティングになってしまいますので、テーパー角を変更する時は、 FCRのセッティングを突き詰める時に最初からやり直す位の気落ちでやった方がよいです。 メインジェットの全開についてもストレート径との組み合わせが影響するので、 セッティングを突き詰める時に変更してください。 スロットル開度1/2から3/4あたりの加速感が満足いくような状態になったら、 スロットル全開のメインジェットもそこまで外れた感じにはなっていないと思います。
⑤キャブの同調を納得いくまで調整する
この辺りでキャブの同調を納得いくまで取ってみてください。
①~④までの過程でストレスが少なく走行できる状態になっていると思います。
マイナスを感じていないならそれが正しいセッティングだからです。
エアスクリューやパイロットスクリューの調整ももう一度、見直すと最初やったセッティングよりも高い精度でセッティング出来ると思います。
より素晴らしいセッティングはあるか?と探求心が抑えられないという方以外はこの辺りで、セッティング作業を辞めても全く問題は無いと思います。
⑥セッティングを突き詰めていく前に加速ポンプの調整
セッティングを突き詰める前に加速ポンプの調整をする必要があります。
又は加速ポンプをオフにしてセッティングを行った方がよいです。
各ライダーごとのスロットル操作でも加速ポンプの適正は変わると思います。
ジェット類の調整は好みが各人あるとは思いますが、加速ポンプはかなりパーソナルな要素が強いと思います。極端な話で言えば、加速ポンプを一切使わないというセッティングもありだと思います。
しかし、FCRには加速ポンプという機能がわざわざ搭載されています。
有効利用したいと思うのが人情でございます。
どちらにしても加速ポンプを一切使わないというものセッティングでの選択肢です。
加速ポンプは空燃比計とにらめっこしながら調整するとやりやすいと思います。
基準キャブレターにある爪とダイヤポンプフラムのサイズで調整をします。
どの位のスロットル開度から何秒間吐出するという考え方でセッティングをします。
複雑なセッティングが出来る造りではありません。FCRの味付け的な要素としてお考えくださいませ。
⑦セッティングを突き詰めていく
空燃比計とにらめっこしながら試走しながら、ジェットニードルのストレート径とクリップ段数とメインジェットを突き詰めていってください。スロットル低開度はスロージェットとジェットニードルのストレート径の組み合わせで決まります。ここまでで、外れたセッティングにはなっていないと思いますからストレート径の変更は2番手程度に留めておいても良いと思います。それ以上変更するとスロージェットの交換が必要になると思います。それとも、最初の段階からジェットの選定が適正でない可能性があります。メインジェットの選定についてもジェットニードルとのバランスです。 スロットル開度1/2から全開までで気持ちよく加速出来る状態であれば適正なメインジェットだと思います。 セッティングを突き詰めるというのはスロットルの大きさやワイヤーの遊びや戻りの強さ点火時期の調整も含まれると思います。直接FCRに関係はないかもしれませんが、変更するとFCRのリセッティングも必要な項目だったりもします。突き詰めるということは答えはなかなか見つからないと思います。何度も何度も繰り返して自分が納得したらゴールかなと思います。とにかくひたすら試走とジェットの交換を繰り返すのみでございます。
FCR初心者向け-ジェットや工具類、補修パーツにお金を使う
FCRのセッティングを初心者が行う場合ですが、工具やジェット、補修パーツを持っている訳がありません。どの程度まで自分がセッティングをしたいかにもよりますがお金は使った方が良いです。
ジェット類や工具類なども考え無しに購入しろとは言いません。
必要だと思ったらすぐに購入をするべきです。
FCRのセッティングのベテランさんは、ベテランだからジェット類や工具を持っているわけではなくて、素人の時に工具やジェット類を買い集めています。
FCRセッティング-プリセッティングからジェットを探す順番【まとめ】
文章にしてみると、普段自分がやっているセッティングはそこまで難しい事をしていないような気がします。 この投稿を書き始める前は少し雑な書き方で内容が少ないような文章になるかなと思っていました。 いざ普段自分がセッティング作業をしている事を文章にしてみると、 思ったほど複雑な事をしていないような気がします。 大事な事はセッティングをした回数かなと思います。 ジェットを変えたらどれ位変化があるかなどは予想をつけてジェットを変更しています。 FCRのセッティングを始めたばかりの頃はジェットを変更するとどこでどの位変化があるかは検討がついていませんでした。1か所変更すると複合的に他の部分にどれ位影響があるなども全く予想できていませんでした。いまで事前に変化がどれ位あるかは分からない事の方が多いかもしれませんが、 セッティングは繰り返し行うと自身のセッティングの精度もあがるのだなと再認識しました。 というわけでこれからFCRのセッティングを始めてみようと思われているライダーさまの参考になれば良いなと思ってブログを書きました。 現代ではヤフーショッピングなどでジェットニードルは気軽に買えます。FCRについて気になる事があるならぜひとも番手の検索も試してみてくださいませ。 それでは良いFCRライフをおすごしくださいませ! シーユーアゲイン!
CBX1000写真ギャラリー
先日バイク屋さんに注文していたホンダ純正部品を受け取りに行った時の写真でございます。レンタルガレージとしてCBX1000を保管させていただいております。
FCRのジェット類の購入について
セットで購入する事をオススメしております。一つずつ購入するのは金額や時間の面で考えても非常にロスが出ます。小物については事前にストックを用意しておいた方が安全です。純正や社外品などに特にはこだわりを持たなくても良いと思います。
FCRの小物
FCRのセッティングについて事前にストックしておいた方が良い小物類です。モールによって極端に値段が違いますので必ず確認してからご購入ください。