FCRのスロットル開度とスロットルバルブ開度は正比例ではありません

FCR-リンクアーム FCR
CBX1000FCR説明書・マニュアル
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FCRのスロットル開度とスロットルバルブ開度は正比例ではありません

FCRはスロットルを1/2開けても、FCR側のスロットバルブは1/2まで開きません。
FCRセッティングマニュアルの3ページ目にグラフとして記載があります。
文字としては書かれていないので分かりにくいです。
これを知っているとFCRのスロットルの操作について意識が変わるかもしれません。
今回のブログ投稿は先に文章で書いていきます。
写真も適度に掲載します。
前提として、ハンドル側を【スロットル開度】、FCR側を【スロットルバルブ開度】
と記載します。
FCRセッティングマニュアルではとにかくスロットル開度を基準に記載されているように見えます。

スロットル開度とスロットルバルブの開度の関係については正比例で動いていません。
スロットル開度1/2まではスロットルバルブの動きは少量です。
スロットル開度1/2の時にスロットルバルブが1/4程度開く状態です。
それ以降はスロットルを開けると、スロットルバルブは急激に開きます。
スロットル全開の時にFCRのスロットルバルブも全開をちょっとオーバーするような感じになります。
要するに、
【スロットル開度】 ≠ 【スロットルバルブ開度】
という状態です。
というわけでこの辺りを今回は書いていきたいと思います。
それではレッツスターティン!

【確認】スロットルとスロットルバルブは正比例ではない

まずは、スロットル開度とスロットルバルブ開度の関係を見てみます。
スロットル全閉めの時とスロットル全開の時は、

【スロットル開度】=【スロットルバルブ開度】

という状態でございます。
注意
①スロットル全閉の時はスロットルバルブ開度は多少は開いています。
②スロットル全開の時はスロットルバルブは上部に2mm程度食い込んでいます。

スロットル開度-全閉め

遊び分やアイドリングストップスクリューなどアイドリングする為に少々スロットルバルブは開いています。

スロットル開度-1/4

スロットルを1/4程開けても、スロットルバルブは1/4までは開いていません。
ここだけ見ると、計測が雑だったり、スロットルの操作が雑などの誤差にも見えます。

スロットル開度-1/2

明らかにスロットル開度1/2に対してスロットルバルブ開度が違います。

スロットル開度-3/4辺り

一人で写真を撮っています。
計測が少し雑になっています。
スロットル開度-3/4に対してスロットルバルブ開度は1/2程度です。
この開度からスロットルを開けると急激にスロットルバルブが開きます。

スロットル開度-全開

スロットル開度が全開の時はスロットルバルブも全開になると言えますが、
2mm程度スロットルバルブは情報にめり込みます。

スロットル開度が正比例しない物理的な理由

機構的にリンクアームのアーチ部分の形状でスロットルバルブの開き方が決まっている様子です。
グラフは正確ではないかもしれませんがおおむねあっていると思います。
スロットル開度とスロットルバルブ開度に数値入れ込んでみて作りました。
イメージ的な感じです。
正確だけれど数値が明瞭に記載されていないセッティングマニュアル3ページの参考程度に見てください。

FCRの設計思想としてスロットルが正比例しない理由の考察

あくまでも考察ですが、FCRなどのレーシングキャブレターはスロットル低開度がなだらかに開いていく方が、取り扱いがしやすいのだと思います。
前身であるCRSキャブレターの改善的な要素もあったかもしれませんし、設計者のアイディア的な部分であったのかもしれません。
FCRはスロットル低開度がなだらかな分、スロットル開度3/4を超えた辺りから急激にスロットルバルブが開いていきます。
スロットルとスロットルバルブの動き方が正比例だとキャブレター的に不都合があるのかもしれません。
FCRのスロットルバルブの開き方はキャブレターとして適正な開き方をしているのかもしれません。
少なくともFCRが発売されてから30年以上誰も文句を言っていない項目ですし、
スロットルバルブを1対1の正比例で開けるようなオプションも販売されていない様子なので、
素晴らしい設計思想だったという事だと思われます。
明確な理由は設計者に聞かないと分からないことでございます。

スロットル開度とスロットルバルブ開度どちらでセッティング?

セッティングマニュアル8ページに謎の部分があります。
ジェットの影響範囲についてです。
スロットル開度を示しているのか、スロットルバルブ開度を示しているのか?
明瞭に記載がないので、おおむねスロットル開度だと思われます。
BITOさまに電話で聞いた時にはスロットル開度でセッティングをされているそうです。
一応セッティングマニュアルを凝視すると加速ポンプの吐出タイミングを見た時には、
スロットル開度であるような記載になっております。
実際に検証したのですが加速ポンプはリンクアームを介していない機構なのでスロットル通りに動きます。
ジェットニードルはスロットル開度1/2を跨ぎます。
その影響で曲線の書き方が変な形なのかもしれません。

FCR初心者向け – スロットルとスロットルバルブは正比例しないは気にしないでチューニングしてください。

豆知識的に覚えておいて頂ければと思います。スロットル低開度の時は動作がマイルドになっています。
グラフを見るとスロットル開度1/4あたりからわずかなスロットル操作でスロットルバルブが開く状態になります。
実際にはスロットル開度1/2辺りから急にスロットルバルブが開いているように見えます。
セッティングをする時はスロットル開度を参照しながらセッティングをして問題は無いと思います。
30年間このグラフを信じてチューニングしてきた人もいます。
もしも問題があると証明したら、世界中を駆け巡るビッグニュースになるかもしれません。

FCRのスロットル開度とスロットルバルブ開度は正比例ではありません【まとめ】

少々ですが疑問に残るのが、【スロットル開度】【スロットルバルブ開度】どちらを参照してセッティングをするのかという事でございます。
影響範囲のグラフについて下記の4点の可能性があります。
①スロットル開度を参考にしてチューニングするグラフ
②グラフの記載が間違っている
③スロットル開度とスロットルバルブ開度を考慮している正しいグラフである
④スロットルバルブ開度を参考にしてチューニングをするグラフ
上記していますが、私は①としてチューニングをしています。

末端のFCRユーザーである私はFCRを楽しめればよいので、楽しむという行為の延長戦上に実際に検証するという事があれば、検証方法を見つけて試してはみようと思います。
少なくともスロットルとスロットルバルブが正比例で動作していないという事が分かっただけでも、
面白かったなと思います。
今回は気にすれば終わりが見えにくい話です。
気にしなければ今まで通りFCRのセッティングを楽しめばよろしいかと思います。
気にしたからと言ってもFCRのセッティング自体は続けていける事でございます。
というわけで疑問を一つ残したまま、まとめてしまいますが、
皆様も楽しいFCRライフをおすごしくださいませ。
それではシーユーアゲイン!

空燃比計の購入

後付けになりますのでワイドバンドのセンサーはBoshを使う事がほとんどです。
マフラーの溶接用のボスのサイズはM18×10 P1.5です。
マフラーの素材を選んで購入する必要があります。空燃比計をセットで購入した場合はスチール製が付属している場合もあります。CBX1000にはPLXのDM-6を使っています。CBX1000は52パイの丸形を使うと中央の電圧計とメーターを交換出来ます。
※PLX DM-6は生産終了の可能性があります
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