FCRセッティング-スロージェットは季節ごとに交換をするべきか?
すっかり冬です。 皆様は寒さにめげずにFCRのセッティングをされているでしょうか? FCRは冬になると濃い目のセッティングにするのが通例です。 濃い目と言ってもどれ位濃い目にするのか? 全部変更するのか? 色々、疑問があると思われます。 私もは色々と試してみました。 FCRのセッティングは空気と燃料の重さでセッティングをする必要があります。 冬になると空気の密度が上がって、空気が重くなります。それに合わせて、燃料も重く(多く)する必要があります。 そういった理由で四季がはっきりとしている日本では季節ごとにセッティングを変更する必要があります。 今回はスロージェットにスポットを当ててブログを書いていこうと思います。 先日、散々スロージェットの交換を試したのですが、あまり季節ごとにスロージェットを変更しなくても良いような気が最近はしております。私なりの考え方になるのですが、 スロージェットはFCRのセッティングの開始の初期段階で決めた番手でギリギリまで交換しない方が良いと思います。パイロットスクリューとエアスクリューとジェットニードルで対応を優先して、 どうにもセッティングが出ないなと思った時にスロージェットを交換すれば良いと思っております。 おおむねエアスクリューの戻し範囲が0.45分~2.00分の間に収まっているなら、 すでにセッティングの調子が良い場合の話ですが、スロージェットを1番手変更すると急に調子が悪くなるような印象があります。エアスクリューは0.30分を切っても調整は出来ますけど、 0.30分 → 0.25分 戻しただけでもかなり変化します。 逆に 2.30分 → 2.35分 回した時は変化は分かりにくいです。 CBX1000の場合の話なので、SRなど単気筒のバイクだと変化は分かりやすいのかもしれません。 私なりの考えを結論的に書くと、スロットル低開度は、 パイロットスクリュー、エアスクリュー、クリップ段数 の変更でおおむね対応出来るなという印象です。 対応が出来なくなればスロージェットを変更すればよいかなと思います。 ジェットニードルなどはスロットル低開度から少し上まで影響範囲があります。 まず先にスロージェットを変更してしまいがちです。 私は速攻スロージェットを変更していました。 最近の話ですが、 ①スロージェットを変更する ②エアスクリューとパイロットスクリューを触る ③ジェットニードルのクリップ段数を変更する ④スロージェットを変更前に戻す というような手順がありました。 スロージェットはアクセスしにくいので最初に決めてしまえば、1番最後に触る項目で良いなと再認識いたしました。 結果としてスロージェットを変更しない方が丁度良いセッティングでございました。 スロージェットがアクセスしにくい場所にあるのは、 『そんなに派手に交換しなくて良いですよ』 と開発者からの無言のメッセージに違いありません。 これで今回のブログ投稿で伝えたい事は終わりです。 と書くとそっけないのでケースバイケースになりますが、次のセクションからはスロージェットについてちょこっと書いていこうと思います。
1番最初にスロージェットとジェットニードルの組み合わせ
FCRの初期セッティングとして、スロージェットとジェットニードルを選定したら、 少なくともスロージェットは出来るだけ触らなくてもよいなと思います。 初期セッティングの時点でもメーカー出荷時や過去の同一車種の履歴や形式と排気量が近いエンジンのセッティングを参考に初期のジェットを選定すればそこまで大きく外れてはいないと思います。
最初はジェットニードルでセッティングを行う
FCRのジェット類は担当範囲以外にも中途半端に影響を与えます。
スロージェットで言えば、アイドリングからスロットル開度1/2程度まで影響します。
ジェットニードルのクリップ段数やストレート径を1段程度変更するだけでも、
本来、スロージェットで変更しようとしていたセッティングをカバー出来たりもします。
ジェットニードルはスロージェットと比較してアクセスしやすいセッティング項目です。
スロージェットを変更する前にジェットニードルのクリップ段数を変更してから、エアスクリューを触ってみるとそれがベストなセッティングになる事も多いかなと思います。
ストレート径も1段階程度で随分と強く影響を与えます。
ストレート径を3段程度変えるとそもそもクリップの位置も変更しないとつじつまが合わなくなるほど、セッティングがずれ込みます。セッティングを行っているので大幅にずれ込むことは歓迎な場合もあるかもしれません。
季節だけの微調整で済ませたいなら大幅な変更は望んでいないケースがほとんどだと思います。
スロージェットの変更を先におこなうと変化が強すぎる場合があるかもという事でございます。
ジェットニードルはスロージェットと比べると価格も高いですし、種類も多いです。
選定に悩むかもしれません。
薄い方向に1セット購入する事をオススメします。
90FTM基準に書きます。
微調整であれば90FTNを購入してください。
強めに変更をしたいのであれば90FTRを購入してリセッティングしてください。
色々試してみたければ様々なストレート径を揃えればよいと思います。
他の番手も試してみたい場合は出荷時よりleanにする方向で揃えていけばチューニングの幅が広がります。
切り上がりについては基本的に選択肢は【T】のみです。
テーパーについては【E】【F】【G】と3種類選べます。
テーパーを変更するという事はチューニング自体を根本的にやり直すということになります。
CBX1000であれば、【F】または【G】のどちらか以外の選択肢は考えにくいです。
理由はクリップ段数の都合で【E】にするとクリップ段数が薄い方向に不足する場合があります。
スロージェットはいつ変更すればよいか?
私の感想になりますが、スクリューの効きがおかしいなと思ったら変更すれば良いなと思います。
エアスクリューが1.00戻しから2.00戻しの間に入っているなら通年で変更しなくても良いかなと思います。
パイロットスクリューに関してはスロージェットが大きすぎると全閉めにしてもアイドリングは出来ます。スロットルストップスクリューの調整なども含めるとパイロットスクリューの調整はしなくても良いのではと思える事もあります。適度なアイドリングの回転数の高さでパイロットスクリューの効きがおかしいなと思ったらスロージェットを変更するべきかなと思います。
パイロットスクリューは30分程度回すと空燃比計を見ると変化が分かります。
空燃比計が無い場合で変化を感じ取るのはなかなか難しいかなと思います。
また、エンジンを始動した状態でパイロットスクリューを触らないと空燃比計を装着していても変化は分かりにくいと思います。
エアスクリューに比べると効きが鈍いと感じるかもしれません。
スクリューを回す量のが違うという認識の方がよいかもしれません。
パイロットスクリューは0.15分単位で回してください。
エアスクリューは5分程度回しても変化を感じ取れる場合があります。
FCR初心者向け-スロージェットを交換しまくってみる
上記している内容とは真逆になりますが、チャンスがあればスロージェットは交換しまくってみるのも良いと思います。私の場合ですが、35-52まで順に試していったことがあります。
FCRの雰囲気や取り扱いに慣れ親しむには大変よい経験になると思います。
事前情報として起こりそうなトラブルを列挙します。
①チャンバーパッキンがふやける
②スロージェットにゴミが噛む
③フロートバルブにゴミが噛む
④ガソリン漏れ
と順に解説します。
基本的にヒューマンエラーです。
注意をしていたら防げます。
下記は症状が当てはまった時に参考にしてください。
①チャンバーパッキンがふやける
スロージェットを交換する時は必ずフロートチャンバーを外すのですが、 チャンバーパッキンは付着したガソリンをすぐに拭かないとふやけて再利用が出来なくなる事があります。これは凄い短時間の話です。すぐにガソリンを拭く習慣をつけた方が良いです。
②スロージェットにゴミが噛む
組み上げた後にカブるというか、なんだか様子がとても変な時があります。
スロージェットに限らず変更したパーツにゴミが噛んでいたりすることがあります。
スロージェットの側面の穴にゴミが詰まっていたり、42番のスロージェットを4つ使うつもりがひとつだけ45番が混じっていたというケースなどもあります。
③フロートバルブにゴミが噛む
スロージェットを交換した直後はフロートバルブにゴミが噛む可能性が高い瞬間です。
細かな錆が燃料と一緒にフロートチャンバーの中に流れ込んでいます。
清掃をあまりしていない状態だとサビというかゴミが溜まっている状態になることがあります。
ゴミがたまっていなくてもサビのひとかけらでもあるとフロートバルブのトラブルの可能性は高まります。
運悪くフロートバルブにほんのひとかけらでもゴミが噛むとフロートバルブが閉じなくなり、
ガソリンがエアベントやファンネル下部のメインエアジェット辺りからだだ漏れになるという事になります。オーバーフロー(フロートバルブが原因でのガソリン漏れ)した時は最初に燃料コックを閉めます。次にオーバーフローしているシリンダーを特定して車体を揺すったりFCRを軽く叩いてみたりすると直る事があります。
それでだめならフロートバルブにゴミが噛んでいるはずなのでバラして清掃すれば直ります。
分解後は目視でゴミが噛んでいるのが分かる事が多いです。
④ガソリン漏れ
フロートチャンバーの締め方が悪い場合があります。
チャンバーパッキンを上手く取り付けていない場合もあります。
分解した部分でガソリン漏れを起こす事があります。
ガソリンが漏れる時は分解した部分かフューエルラインの亀裂や刺さりが甘い事が原因です。
FCR初心者向け-スロージェットを交換しまくってみる【まとめ】
初心者向けに軽く書いているつもりが長くなってしまったのですが、触ってみると分かる事は沢山あります。スロージェットの番手を買い揃えると同時にチャンバーパッキンの予備とドレンボルトのパッキンの予備を購入しておいた方が幸せになれます。 続けて本編のまとめに入ります。
FCRセッティング-スロージェットは季節ごとに交換をするべきか?【まとめ】
まとめると、スロージェットの交換は1番最後。可能な限りスクリューとジェットニードルで対応というような事を伝えたいブログ投稿でございました。
季節的なセッティングであれば先にクリップ段数とスクリューなどで調整をしてどうにもならなければ、ストレート径を変更。さらにどうにもならない時にスロージェットを交換という手順が現在の私の中では妥当かなと思います。
スロージェットの変更は手間な部類なのでそれより先に作業コストが低い部分で調整をした方が良いということでございます。
もう、すっかり冬でライダーの皆様は冬ごもりして愛車のメンテナンスや大改造をされる時期だと思います。しかし、冬の寒さにめげずにFCRのセッティングをされているライダー様も全国には100万人位はいると思います。
私は冬の寒さに負けてしまいがちです。
冬場にバイクに乗られる時には路面の凍結注意で安全にお楽しみくださいませ。
それではシーユーアゲイン!
FCRのスロージェット交換に関する写真
過去の投稿も含めてスロージェットの交換に関連する写真を掲載いたします。 車体から限界までFCRを着脱せずにスロージェットの交換を試したりもしましたけど、 結局は手間をかけて省略をせずに交換をする方がトラブルも少なくて良いなと思っています。
FCRのジェット類の購入について
セットで購入する事をオススメしております。一つずつ購入するのは金額や時間の面で考えても非常にロスが出ます。小物については事前にストックを用意しておいた方が安全です。純正や社外品などに特にはこだわりを持たなくても良いと思います。
FCR-スロージェット
スロージェットは1つずつ購入するよりもセットで購入しておいた方がよいです。 使わないと思った番手でもセッティングをしていたら必ず試します。ケースがついているもの地味に嬉しいです。ケイヒン純正の番手と比べて48が47などの差異はあります。おおむね4気筒や6気筒であれば、40から52で揃っていれば困る事はないと思います。
ポチップ
返品の難易度や送料を考えるとアマゾンで買う方が良いと思います。 プライム会員なら送料無料です。 POSH FCRスロージェット32-35-38の3個セット POSH FCRスロージェット40-42-45の3個セット POSH FCRスロージェット47-50-52の3個セット FCR POSHスロージェット 55 57 60の3個セット
FCRの小物
FCRのセッティングについて事前にストックしておいた方が良い小物類です。モールによって極端に値段が違いますので必ず確認してからご購入ください。
FCR-メインェット
セット購入をした方がケースもついているし断然お得です。また、広い番手で持っていた方が吉です。全開の時だけでなくて、スロットル開度1/2あたりにも思った以上に影響があります。
ポチップ
返品の難易度や送料を考えるとアマゾンで買う方が良いと思います。
プライム会員なら送料無料です。
POSH メインジェット FCR 100-112 6個セット
POSH メインジェット FCR 115-128の6個セット
POSH メインジェット FCR 130-142の6個セット