FCR-PSについて。アイドルポートとスローポートとアイドリング時の空燃比
先日、パイロットスクリュードライバーを持ち歩いているととあるマスツーリングの御一行様から、
『これは何ですか?』
的な感じで順番に質問攻めにあいました。
FCRでセッティングを始めたころから疑問だったことが自分なりに結論付けられたり、
した事もあるので、履歴的に記載していきたいと思います。
自分なりのやり方
や考え方を書いています。過去に書いた記事と相違がある場合もあります。
日々進化していのかも。FCRのセッティングを熟知しているわけではないので、
ころころ考え方が変わったりもします。
間違っている事を書いていたりがあるかもしれませんがご了承くださいませ。
パイロットスクリュードライバー,キャブドライバー
CBX1000とパイロットスクリュードライバー,キャブドライバーパイロットスクリュードライバーアイドルポートとスローポートは明確に違う
先に写真をご覧になってみてください。スローポートはスロットルバルブが閉じている時はほとんど顔を出しません。ちなみに、スロットルバルブの開度でアイドルポートとスローポートが切り替わるのか?重複するのか?などは私にとっては不明な部分となっています。もう少し仕組みなどを詳しく知れる機会があればなとも思います。
FCR断面図
FCR-エンジン側スローポートとアイドルポート全閉め時はアイドルポートからガソリンを噴射。
スロットルを開けるとスローポートからガソリンを噴射で切り替わる様子です。
スローポートとアイドルポートは全閉め時はスロットルバルブで仕切られているような状態です。
※厳密に言えば完全にはしきられていません。
スロットル全閉め時アイドル時の空燃比とスロットル低開度の空燃比が極端に違ったりするのは
この辺りが理由だと思います。
アイドル時と低開度で空燃比が違うのはこれが理由だと思います。
また、空ぶかし(レーシング)をした時に一瞬止まるような所があるのもこれが理由かなとも思っています。
FCRの低開度はお互いが影響し合う範囲が多い
SJスロージェット、ASエアスクリュー、PSパイロットスクリュー、JNジェットニードルストレート径
JNジェットニードルクリップ段数と相互に影響し合う要素が多いです。私はSJとJNを決めたら、それに対してASとPSでベストな状態に帳尻を合わせるというようにセッティングしています。
SJとJNで大まかな範囲を決めておいて、ASとPSで細かく調整というような感覚です。
PSは見ずにASがスクリューの下限0.30分戻しから上限2.30分戻しの範囲に入らなければ、SJの番手を変えて再度調整します。
FCR-JNジェットニードルストレート径
FCR-JNジェットニードルクリップ段数
FCR-JN-テーパー
FCR-SJスロージェット
FCR-ASエアスクリュー
FCR-PSパイロットスクリューFCR-低開度の影響範囲PSパイロットスクリューで何をする?
全閉め時の場合です。SJや他のジェットの影響次第かもしれませんが、PSを回しまくっただけでは空燃比を思った値に持ってくることは難しいです。思ったよりは空燃比の値は大きく動きません。
PSを全閉めにしてもストップスクリューの高さ調整やSJの大きさ次第では平気でアイドリングをします。私はPSは冷間時の始動性やアイドリングを維持する為の調整だと思っています。
エンジンを安定してアイドリングさせるにはストップスクリューでアイドリング時のスロットルバルブの高さの下限も調整する必要もあります。
アイドル時のPSの戻しの事だけを考えてSJを選定すると他のスロットル開度で不具合が出るので、
自身の思う完璧よりはある程度妥協する必要もあります。
アイドリング時の空燃比
バイクの発信して加速するというルーチンにおいて、良い状態だなと思えるセッティングにした時は
だいたいが11.9程度でした。最近は14.5程度で落ち着いています。
これについてはクリップ段数によっておおむね決まってくる傾向があるのかなと思えています。
全閉め時11.9程度だったときはクリップがかなり下でした。
全閉め時14.5程度の時はクリップ段数が切り上がりを変更する位上の状態です。
全閉め時の空燃比はどれがベストかは不明ですが、現在の私の好みのセッティングでは14.5程度になっています。また、何台もセッティングしているプロの方曰くアイドリング時の空燃比は15前後で収まるという事だったので11.9で空燃比が収まっていた時はなんでかな?と思っていましたが、
JNのクリップ段数が原因だったのかなと思えてしまいます。
現在クリップ段数を高めにしている理由はハイスロットルを付けていてスロットルワークを少々雑にした時に気持ちよく乗れることをテーマにJNを触りまわしたあげく、クリップ段数を高めにしたら気に入るフィーリングになったという結果です。スロットル全閉め時は冷間時の始動性、アイドリング、クラッチミートの3点がストレスなければよいと思いますが、低開度で発進をし始めたあたりは13前後など、後輪に負荷がかかってもパワー感がある空燃比にASを使って調整する必要があります。
そういった点で低開度は各セッティング箇所が相互に影響します。
FCR初心者向け-空燃比計の取付
FCRのセッティングで一番困るのがそのセッティングが濃いのか薄いのか?感覚に頼るだけで
不明瞭な所です。FCRなどのレーシングキャブレターを触り始めたばかりの素人が判断できるわけがありません。空燃比計が高価だったころからキャブセッティングをしているベテランさんは感覚だけで、
ベストな吹け上がりなどは分かると思うのですが、それは経験があるからです。
逆に数値を提示できないベテランのトラブルシューティングより、数値を提示できるビギナーのトラブルシューティングの方が当てになる場合があります。空燃比計は最初の打ちは不要ではなくて、速い段階で装備する事をおすすめいたします。最低ラインとして数値を基準にしたセッティングが素人でも時間をかければ行う事が出来るようになります。ベテランは及第点までたどり着くのが素人に比べて速いだけです。これ以上ない最高のセッティングにたどり着くのは無理かもしれませんが、最高のセッティングに近い所まではたどり着けるようになります。空燃比計の装備は現代的な志向のひとつだと思いますのでこれからFCRのセッティングを始める方は速めの装備をオススメいたします。
FCR-PSについて。アイドルポートとスローポートとアイドリング時の空燃比【まとめ】
FCRについては気になったら触るようにしています。FCRのセッティングの本など出版されていなかったりするのは、系統化された最適解が不明瞭だからだと思います。
今回のようにアイドリング時のベストな空燃比は?だけでも色々な考え方があると思います。
私も文章を書いていてあっているかどうか自信がありません。
CBX1000にはあてはまるけど、SRには当てはまらないかもしれません。
やり方に答えはありませんが、似たような車輌で似たような事をしていると一つのガイドラインになったりもすると思います。まだまだ暑い日が続きますが、皆様も体調管理に気を付けて
楽しいFCRライフをおすごしくださいませ。
それではシーユーアゲイン!