FCRセッティング-夏場は薄目のジェットに変更する
キャブセッティングの話になると良く出てくる、濃い薄いのお話です。
この濃い薄いという単語ですが、非常に曖昧でございます。
『夏場はセッティングが濃いくなるのでジェットを薄い番手に変更する』
などという言葉が使われます。
主語がないし、比較対象がないし、初心者の方などはワケワカメだと思います。
基本的に濃い薄いの主語となる言葉は空燃比です。
13.0を境に12.0なら濃い、14.0なら薄いという考え方になります。
数値に関してはあくまでも現在の私の主観です。
空燃比は空気の重さと燃料の重さの比重です。
1:12であれば空気1gに対して12gの燃料が混ざった混合気がエンジンに供給されている計算になります。
夏場になると1cm3辺りの空気が軽くなりますので、自然と空燃比は濃い方向になります。
ジェットから供給される燃料は温度で変化がありませんから至極当然の事です。
文章だけでうんちくを書かれても良く分からないとは思いますが、
FCRのセッティングをする上で重要な事なので、深く理解しなくても、
読むだけでも読んでみてください。
中盤から最後にかけて、ざっくりと傾向的な範囲でですが、
簡易的に夏用のセッティングにするような方法もご案内いたします。
春か秋にセッティングを済ませておいて通年を通して同じセッティングで調子が悪くならないという方は夏でちょっと濃い目のセッティングになっていると思われます。基本的に濃い目の場合は乗りにくいという症状が出る事は少ないです。
過度に濃い目にした場合に限りスロットルを少し開けたジェットニードルのクリップ段数が担当する範囲でまともに走れなくなります。アイドリングや始動時はガソリン臭いなどの症状が出ても、
気にしなければ問題は無いかと思います。
雑な案内ですが夏向けのセッティング
JNのクリップ段数を1段階薄い方向に振る。
ASを30分(半回転)ほど薄い方向に戻す。
MJを2番手程度(120→115)薄い方向に交換する。
7月1日を迎えたら何も考えずにこのようにセッティングしても問題は無いかなと思います。
ASについては発進がしやすいギリギリの所まで薄くするのがコツでございます。
1/4程度までのスロットル低開度はASの影響が非常に大きいです。
発進がしやすくても、吹け上がりにパワー感が無ければ濃い方向に締め込んでください。
考え方的には空燃比が12.5に近い濃い方がパワー感があります。
また、スロットルを開けた時に一時的に空燃比は薄い方向に振れます。
それをみこしてあらかじめ11.5程度の空燃比にしたりする事もあります。
FCRはアナログなデバイスです。必ず思い通りのスロットル開度で思い通りの結果が出るとは限りません。よほど外れたセッティングをしていなければ少々雑にセッティングして少々外れていても好調にエンジンは吹け上がります。好調というコンディションをライダーがどのラインで決めるかはFCRをセッティングした回数によると思います。
私はまだ、これが最高のコンディションという状態を見つけらていないので色々と試している最中でございます…。気にしながら、セッティングをしていると色々な気付きがあったり、新しい事をためしてみようと発見する事もございました。
一例で言うとスロットルワイヤーが二股だとスロットルを開ける瞬間がワイヤーごとにラグがある。
ASの設定を各シリンダーごとに行おうとしても回転数の変化が分からないのでデジタルタコメーターを使用する。スロットルを急開した瞬間は加速ポンプをオフにしていても一瞬かなり濃い数値を示す。加速ポンプの吐出タイミングを速くし過ぎるとスロットルバルブに燃料が直撃して何だか寂しい気持ちになる等です。
色々と気が付く事が毎回あるのでセッティングは楽しいです。
作業的にセッティングをせずに本当に大丈夫かな?などでも良いので、新しい発見があるかもしれないとアンテナを張っておくと良い結果を得る近道になると思います。
FCR初心者向け-春夏にセッティングをして1年中同じセッティングは有か?
最初に春か秋にセッティングをして、冬に再度ASをセッティングするという形で通年で問題なく走れると思います。私の主観ですが、ASについては発進に影響を及ぼします。 ASが薄い方向に開き過ぎているとパワー感の無い発進になってしまいます。 徹底的にキャブを触りたくないという場合はとにかくセッティングをしないという考え方に固定しても良いと思いますが、せっかくのレーシングキャブレターですからASだけでも半回転以内で触るとちょっと幸せになれるかもしれません。私はFCRをこうにゅうしてから15年は一切触っていませんでしたし、バイクも一時期オブジェのようになっていて乗っていない時期もありました。 突然FCRのセッティングを始めたのですが、少しずつでも触っておけば良かったなと思っています。 結論的には夏場に発進にパワー感が無くなるかもしれませんのでその時はASを濃い方向に締めてみてください。結論でございます。結論と言っても絶対的な物では無くて答えの一つなので、 自分自身が納得するように触るのが答えかなと思います。 冬場に発進や始動の調子が悪くならなければ通年でセッティングをせずにバイクに乗る事は出来ると思います。
FCRセッティング-夏場は薄目のジェットに変更する【まとめ】
上記しているのでまとめるような事も無くなってしまいました。 私の好みのセッティングは濃い目かなと思えるかもしれないようなセッティングでございます。 それが実は丁度良いセッティングなのかもしれません。 セッティングの回数を重ねて試走をしていると濃過ぎる症状や薄過ぎる症状が分かるようになってきます。特に分かりやすいのがJNのクリップ段数をデタラメに濃い方向に変更してみる事です。 まともに走れないし症状についても自分自身の感覚の参考にはなります。 というわけで季節ネタの投稿でございました。 最近は雨が多いです。7月も中旬くらいまではバイクの楽しく乗れるかなとは思います。 皆様も熱中症にはお気をつけてバイクライフをお楽しみくださいませ。 それではシーユーアゲイン!
CBX1000-写真ギャラリー
最近撮影したCBX1000の写真でございます。サイドバッグにセッティンググッズを積んでいるので、 気になったら少々であればその場でセッティングをしたりも出来ます。
空燃比計の購入
後付けになりますのでワイドバンドのセンサーはBoshを使う事がほとんどです。 マフラーの溶接用のボスのサイズはM18×10 P1.5です。 マフラーの素材を選んで購入する必要があります。空燃比計をセットで購入した場合はスチール製が付属している場合もあります。CBX1000にはPLXのDM-6を使っています。CBX1000は52パイの丸形を使うと中央の電圧計とメーターを交換出来ます。 ※PLX DM-6は生産終了の可能性があります
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