旧車はブレーキが効かないは本当ですか?-ブレーキカスタムでびっくりします
旧車人気は高まっております。
いままでバイクに乗られていない方がいきなり旧車に乗る事はかなり稀だと思います。
大体何台か乗り継いでから旧車世代のバイクを手に入れるケースが多いと思います。
最近では、排気ガスの規制を始め様々な環境問題を地球規模で考えようという動きが加速しています。
そういった規制の中で販売不可になったバイクが旧車と呼ばれる世代のバイク達でございます。
古いバイクの魅力は販売当時でしか実現出来なかった機能や機構がある事です。
少し、壮大な前書きになりましたが、今回のブログ投稿は当時のブレーキと現代のブレーキという事で書いていこうと思います。
カスタム的な話になりますが、カスタムを推奨するわけではございません。
それではレッツスターティン!
ブレーキの基本的な考え方-制動力とコントロール性と安定性
ディスク径が大きいほど制動力があがります。パッドとディスクの接地面が多いほど制動力があがります。プレーキキャリパーを交換しても制動力は上がりません。
ブレーキキャリパーを交換する事で使えるパッドの種類や大きさが変わります。
他にはコントロール性や放熱性などが増加します。
ドラムブレーキが制動力は最高です。ドラムブレーキは雨や熱に弱いです。コントロール性も低いです。ディスクブレーキの方が冷却されるので熱に対して安定度は高いです。
旧車のブレーキ性能は低いのか?
端的に言うと旧車のブレーキ性能は低いわけではありません。
しかし、最近製造されたブレーキ周り一式を装着したCBX1000と40年前のブレーキ周りをしっかりメンテナンスして使用しているCBX1000を比べてみても性能の差はかなりの物です。
40年前のブレーキが劣化していたり性能が低いというよりは、
現代のブレーキの機構や技術が進化していて制動力が高いという風な考え方になります。
40年前のブレーキをメンテナンスしても性能に限界があると言わざるを得ません。
ブレーキの根本的な仕組みとしては大差がないのに不思議です。
現代のブレーキは材質も多少向上しています。
ディスクの径も大きくなり、薄くなって、軽くなっています。
タイヤのグリップ力もあがっています。
このような点で現代のブレーキの方が制動力が高いです。
2024年の道路で1979年のモーターサイクルが走った場合はブレーキが効かなくて危ないという事実は存在します。
40年前の交通事情を想定して製造されているのでブレーキの効きが現代では悪く感じるのは当然です。
CBX1000を例にブレーキの違いを考察
私のCBX1000はブレンボのハードアナダイズドの4potアキシャルマウントを装着しています。
マウント方法はラジアルマウントという手法が存在するので1段階古いですが、
ノーマルよりは新しい形式のブレーキキャリパーです。
ブレーキキャリパーが片押し2potと両押しの4potで随分で違いがあります。
フロントディスクの径で言えば275㎜と320㎜の違いがあります。
ブレーキパッドの材質やタイヤなどは現代の物を使用したとしてもかなりの差がありました。
ブレーキキャリパーの方式の差なのかは不明です。
フロントはかなり制動力があがりました。
リヤについては制動力が下がりました。理由はディスク径が小さくなったからだと思います。
ディスクブレーキについて制動力だけ考えるとディスクの大きさが占める割合は大きいと言えます。
旧車を購入したら最初に検討したいカスタムポイント
ブレーキとリアサスの2点です。
ブレーキについては飛ばすとか飛ばさないとか以前に効かないと事故をおこしますし、上記していますが、過去と現代では交通事情も異なります。
特に大型バイクだとスピードだけはしっかり出ます。
ちょっとスピードを出してしまった時にふいに急ブレーキが必要…というケースも必ずめぐり合うと思います。
次にリアサスですが、バイクの考え方的にリアサスは消耗品で交換部品です。
40年前当時のリアサスが装着されている場合は単なるバネになっています。
必ずリアサスは交換してください。
旧車は曲がらない、止まらないと言われる理由はこの辺りにあると思います。
リアサスの話はこの辺りで終わるとしてブレーキのお話を続けます。
対策-4potのブレーキキャリパーに変更かディスクを交換
ブレーキを効くようにする為の具体案です。
①ブレーキキャリパーの交換
②ディスクの外径を大きくする
この2点で急に性能が上昇します。
おおむね①と②は同時に行います。
①を行うとブレーキキャリパーに送るブレーキオイルの量が増えますから
ブレーキマスターも容量の大きい物は交換が必要となります。
費用的にはフロント廻りだけカスタムするとして、
ブレーキキャリパー
25000円 x 2 = 50000円
キャリパーサポート
25000円 x 2 = 50000円
ブレーキディスク
45000円 x2 = 90000円
ブレーキマスター
20000円
工賃(1日で終わるとして)
40000円
合計25000円
程度となります。
少なく書いているので、これよりは2割程度は金額が増えると思いますし、
ブランド物のパーツやボルトを使ったりするとさらに工賃は膨らみます。
ブレーキの性能を上げる乗り方
時間や金銭的な問題ですぐにブレーキについて対応が出来ない場合で、苦肉の策になりますが、
ライダーのコントロールで対応をする方法をご案内します。
①エンジンブレーキを使う為にギヤポジションを気持ち低めで乗る
②リヤブレーキを精一杯使う
③ブレーキレバーを必死に握り込む
と軽く思いだした限りで私が過去に行っていて走法です。
①についてはブレーキだけではなくてエンジンブレーキも活用してブレーキをかける必要があります。
普段からシフトコントロールがスムーズだと思うオイルを見つける必要があります。
②については多少盲点になっているライダー様も多いと思うのですが、
旧車世代のバイクはリアディスクがフロントディスクと同じサイズになっているケースが多いです。
要するに制動力が高いという事です。ドラムブレーキも制動力の高いブレーキです。
現代のバイクと比べると止まる為にリヤブレーキを使うという考え方を当時はしています。
現代は車体のコントロールの為にリヤブレーキを使うという考え方をしています。
制動力だけで言えば現代のバイクと性能に差はあまりないかもしれません。
③は現代のバイクと比べて多少は強く握り込むという事です。
あまり効果はないかもしれません。強く握ってもあまりブレーキが効かない事もあります。
普段から、少し強く力を入れるという事を意識しておいた方がとっさの判断が必要な時に助かる事もあるかもしれません。
現代の足廻りはラジアルだらけ
タイヤはラジアルタイヤ、ブレーキマスターはラジアルポンプ、ブレーキキャリパーはラジアルマウントのラジアル尽くしの仕様となっております。
ラジアルタイヤでタイヤの接地面や剛性の確保、ラジアルポンプでフィーリングを高める、ラジアルキャリパーで剛性を強化と言った所でしょうか。
どちらにしても1979年には存在しなかったものだらけでございます。
40年間で進化していない物もあります
ちょっとした小ネタになるのですが、バイクが昔から進化していない機構があります。
それはチェーンです。
シールチェーンや材質の強度など細かい部分は進化したかもしれませんが、
いまだに後輪への伝達方式は、
・チェーンドライブ
・シャフトドライブ
・ベルトドライブ
のどれかでございます。
そのうち、ホイールにモーターを仕込むとか、磁石の力を利用するとか、
技術的な大革新があるかもしれません。
ブレーキ性能にフレーム剛性が負ける事はある?
ブレーキを交換するとフレーム補強が必要と言われている方に出会った事があります。
完全にないとは言えませんが、ブレーキをかけたからフレームが曲がったりするという事は、
そもそも、そのフレームの設計ミスかフレームに元々クラックが入っているのどちらかだと思います。
CBX1000を基準に話をしますけど、当時の大型バイクでも200km/hは出す事が出来ます。
200km/h出るバイクがブレーキの性能が上がっただけでフレームが壊れたりするでしょうか?
逆にフレームを壊してしまうほど強力なブレーキシステムが存在するなら技術的な大革新かなと思います。このあたりは素人が思った事を書いているだけなので、実際の所はどうなっているのか分かりませんが、少しブレーキを強化した程度ではフレームが壊れるという事は考えにくいです。
性能の低さに慣れると怖い
同じバイクに乗り続けていると自分のバイクの性能の低さに気が付かない事があります。
性能が高くなくても普通なら良い!
と思っていても、実はとんでもなく性能が低いバイクだったりする事もあります。
そういった事を回避する為にごくまれにでも良いので最新バイクの試乗会などに顔を出す事をオススメしてます。買う気が無くても買う気にさせるのは営業マンさんとメーカーさんの仕事なので、
気兼ねなく試乗会に参加して頂ければと思います。
新規にパーツを購入するよりオーバーホールした方が安上がり!しかし…
旧車と呼ばれるバイクの落とし穴ですが、ブレーキキャリパーなどはパッキンを交換したり、
オーバーホール用のパーツがメーカ純正で手に入る物が多いです。
磨いたりオーバーホールすれば、新車当時の性能だったり、新車当時に近い性能を取り戻せます。
しかし!
その当時の新車性能が現代ではすでに低性能だったりするケースも多々あります。
バイクの使い方にもよりますが、高速道路を乗ったり現代のバイクと一緒にツーリングをする事があるようでしたら、ブレーキの性能アップは検討すべきです。
状態が良いということは当たり前で、性能が良くないと危険度があがります。
CBX1000のブレーキ換装の効果は抜群でした
車種によってブレーキ性能の向上の仕方は違うと思いますが、
私のCBX1000の場合ですがかなりブレーキ性能が改善されました。
フロント廻りについて記載します。
内容は…
・ブレンボCNCハードアナダイズド4ptレーシングアキシャルマウント
20万円
・ブレンボラジアルマスターコルサコルタ
5万円
・サンスターブレーキディスク320パイフルフローティング
9万円
・スウェッジラインメッシュホース
2万円
キャリパーサポート
5万円
ざっくりと
41万円ほど費用がかかっています。
工賃が入っていませんからまだ料金はあがると思いますし、
CB1100Fの足廻りの流用も含めると50万円から60万円かかっていない程度がフロント廻りの換装に使った費用になります。
性能面だけで言えば大満足な結果です。
費用対効果で言えば何とも言い難いですが、新車でバイクを買う頭金にはなりそうなので、
CBX1000にそこまでお金をかけなくてもよかったなとは思えます。
実はリヤブレーキも換装しているのでかなり金額がかかっています。
キャリパーとブレーキマスターを安価な物を使うと随分費用を抑えられたと思うのですが、
せっかく交換するので通常に購入できる範囲で加工が少ない製品を選んで奮発しました。
特殊なオーダーを含めると金額や納期や加工費用などがうなぎ上りになってしまいます。
ヤフーショッピングでどれも購入できる範囲でパーツを選んでいます。
ブレーキ廻りがしっかりするとバイクのコントロール性も向上するので、乗っていて楽しくなります。
レーシングキャリパーとフルフローティングのディスクを選択しているので、
タイヤの回転の抵抗が異様に少なかったり、制動力も高いですが、耐久性やメンテナンスに関して気を使う仕様になっています。
旧車はブレーキが効かないは本当ですか?-ブレーキカスタムでびっくりします【まとめ】
まとめというか、オチとして金額にびっくりすると思います。
性能に関してもびっくりします。
性能が上がる見定めとしては、ブレーキキャリパーの形式とディスクの大きさかなと思います。
90年台や80年台後半のレプリカブームの世代のバイクでは驚くほどの性能の向上はないかもしれません。ブレーキ廻りの換装を進めてはいますがルックスのイメージも崩すかもしれません。
ご自身のバイクの乗り方をよく検討されてから換装をおすすめいたします。
金額によっては性能の良い高年式のバイクが購入出来たりもします。
というわけで今回は旧車のブレーキカスタムのお話でした。
それではシーユーアゲイン!
CBX1000のブレーキ換装写真
ビフォーとアフターも含めてブレーキ周りの写真を掲載します。
ブレーキ換装でどれくらい雰囲気が変わるかなどもご確認くださいませ。