FCRセッティング-中古FCRを購入したが、アイドリングが安定しない、走り出すとバックファイヤーする

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CBX1000FCRメンテナンス
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FCRセッティング-中古FCRを購入したが、アイドリングが安定しない、走り出すとバックファイヤーする

最近、メールでご相談を頂く事が多々ございます。

『中古FCRの購入を購入したのですが…』

という内容が続きましたので、その辺り、書いていこうかなと思います。
まず前提としては…

・バイクは壊れていない調子の良い状態である
・取付はまともに出来ている
・FCRにトラブルはない状態
・フロートバルブの高さは全シリンダー共に良好な状態である。

という事でセッティングをどうすればよいの?的に話を進めていこうと思います。

ご相談内容…
①アイドリングが安定しない
②走行を始めるとバックファイヤーする
③走行を始めるともたついて吹け上がらない

という内容でございます。
はい、それではレッツスターティン!

※スクリューの戻しについては時計表記です。
※クリップ段数は天場から#1-#7の間で表記します。
※スクリューとはエアスクリュー(以下AS)、パイロットスクリュー(以下PS)の両方の事を指します。

①アイドリングが安定しない

基本的にはSNSやウェブから先人達がセッティングした内容を元にジェット類を選定します。
見たり利用してもよいから先人達も公開してくれておりますので、バイク文化発展の為にぜひとも利用してください。
パイロットスクリューとエアスクリューは各バイク事の調整になると思いますが、基本的には先人達のデータから大きく外れる事は無いと思います。
PSとASについては車輌ごとに違うので基本の1.0戻しでスタートでございます。
アイドリングの部分以外でも、クリップ段数を上か下に2段以内に変更すれば、FCRは何だか凄い!
という所まではたどり着くと思います。
贅沢を言えば、MJを数値で言えば前後10程度以内で変更すれば、スロットル全開走行もお手の物かなと思います。

このセクションの本題のアイドリングが安定しないですが、
まず、同調について目視やテーパーゲージなどでざっくり高さを合わせます。
アイドリングストップスクリューも適度な高さにしておいて、
エンジンがかかれば適度なアイドリングになるように調整してください。
1300rpmにしてくれとセッティングマニュアルには記載があります。
調整幅ない時はスロットルワイヤーのタイコのいちやアジャストスクリューで調整を行ってください。
エンジンが、かかる状態で、アイドリングが安定しやすい所をASを調整しながら探してください。
回す幅は0.30分、0.45分、1.00分、1.30分、2.00分、2.30分、3.00分で調子が良い所を見つけてください。
全シリンダー共に同じ戻しで構いません。
おおむね0.30分からスタートして3.00分まで到達すると思います。
3.00分まで到達しても変化が分かりにくければ、PSを回して変化を確認します。
PSを1.00分から、0.30分に変更しても変化がなければ、
ASを0.30にしてPSを1.30分、2.00分、2.30分、3.00分と回して調子が良い所を探してみてください。
いまいちであれば、スロージェット(以下SJ)を1番手交換でございます。
この段階で濃い方に振ればよいのか、薄い方に振ればよいのかが分かれば、あとは時間を使って調子のよいスクリューの場所を探せばよいだけです。
この時点でよく分からないようであれば、濃過ぎな可能性の方が高いかなと思います。
一概に濃い薄いなどは言いにくいのですが、調子が良くなるまでSJは交換しないといけないので1/2でございます。
私は濃いのかなと思ってSJをまずは薄い方向に交換します。
PSについては全閉めでもアイドリングが出来ます。
PSが効いていない位濃い番手のSJが入っているという事も考えられます。
SJについては現在の番手から前後2番手いないで収まるとは思います。
【40】【42】【45】【48】【50】
という並びでございます。
SJを交換する時の注意は新品のチャンバーパッキンを事前に用意しておくことと、チャンバーを外した時に、
古い方のチャンバーパッキンについてはガソリンをすぐに拭き取ってください。ふやけます。

この辺りの作業を繰り返していくとアイドリングは必ず出来る!…はずです…。
どうにも様子がおかしいなと思ったら、SJの交換の際にゴミを噛んでいたり、
SJの穴に固着したガソリンが詰まっていたりなどのトラブルがあるかもしれません。
その他にもFCRの燃料ラインのどこかが詰まっていたりも考えられます。
フューエルホースからパーツクリーナーを吹き付けてみるなどして流路の確保をしてみてください。

②と③の走行を始めた辺りで調子が悪い

ざっくり言うとジェットニードル(以下JN)のクリップ段数の相性が悪い可能性が非常に高いです。
バックファイヤー(キャブから火を噴く)が激しいのであれば、JNのクリップ段数が【#1】
など薄目のセッティングになっている可能性が高いと思います。
乗った感じで言うとパワー感が乏しい感じです。
逆にボコ着いた感じで失速したりするようであればクリップ段数が濃い目の【#7】よりの可能性が高いです。
基本的に最初から入っているJNでクリップ段数を調整出来ると思います。
先人達のセッティングデータを参考にしたJNを使用しているのであればまず問題はないと思います。
もしもクリップ段数のセッティングの範囲外であるならJNを切り上がりベースで交換する必要があります。
例
90FTM#1 = 90FXM#3
という状況になります。
切り上がり違いが手に入らなければ、ストレート径を4段階程度変更させるか、
テーパー角を変化させることでクリップ段数の基本的な燃調を変更できます。

ストレート径であれば、
90FTM#1 と 90FTR#2
で同程度のクリップ段数になると思いますが、SJの選定なども要確認でございます。

テーパー角については
90FTM#1 と 90GTM#3
で同程度になるはず。
おおむね切り上がり違いのJNはすぐには購入出来ない可能性が高いです。
そしてテーパー角まで触り出すと何をしているかよく分かりません。
ざっくりとしたセッティングをしている所なので、クリップ段数の足らずの調整についてはおおむねストレート径を、
変更して対応するのがベターになると思います。
クリップ段数についてはより濃い方向にJNを移動させていのであればワッシャーを挟み込むという裏技もあるらしいです。

ヒューマンエラーはJNのクリップの紛失でございます。あまり高い物ではありませんので、紛失する事前提で、
予備を用意しておいてください。

よくあるトラブル

よくあるトラブルを書いていきます。
私がはまった事があるのが、ろ紙フィルターのせいで燃料が降りてこないという症状です。
降りてこないというよりは、燃料の供給が追い付かないという症状です。
車種にもよりますけど、CBX1000の場合はフューエルコックを交換してもあまり変化はありません。
フューエルコックの形式にもよると思いますので一概には言えませんけど…。
ジェット類の交換の際に締め込み過ぎてジェットをねじ切るということもございます。
トラブルは上げだせばキリが無いのですけど、FCRについてのトラブルはゴミが噛んでいるか、燃料が届いていないなどの傾向が強いと思います。
インシュレーターの2次エアーの吸い込みも要注意です。

プラグで調子を判断する

おそらくですが、あまり意味がないと私は思っています。
おそらくというのが私はプラグでセッティングの様子を見ないので、見れるとも見れないとも言い難いからです。
具体的にどのスロットル開度でどれ位濃いとかを判定もしづらいと思います。
私もプラグを見たりすることはありますが、現在の良いと思っているセッティングの状態でプラグはどんな風になっているかなと、
確認をする為です。プラグに異常があれば、セッティング以外でもトラブルを抱えているかもしれません。
プラグがかなり白っぽい状態であれば、プラグの番手を間違えているだって考えられます。

加速ポンプの取り扱い

特に気にしなくても良いと思います。可能であれば、プッシュロッドを固定してオフにしてセッティング望む方が変化が分かりやすくてよいとは思います。始動時には燃料の追加に使ったりもしますから、始動が出来るまでオンにするとか臨機応変に対応が良いかなと思います。

ボディの削れやリップシールのへたりや浮動バルブのけずれなど

前提として15年は交換していなくても走ります。もちろん距離によるとは思います。
調子よく走っているかどうかは分かりませんけど、劇的に調子が悪い原因にはならないと思います。
今回の目的はどうにもならないレベルからの脱出なので、さほど気にしなくても良いです。
ボディの削れについては浮動バルブの戻りが悪くなるので、目に余って酷いようでしたら、
対策として、ビッグローラー、SEPベアリングガイド、キースター逆転蘇生キットで対応が出来ます。

絶対にやってはいけないこと

灯油やキャブレタークリーナーなどにFCRを漬ける事です。
もっと書くと樹脂やゴムパーツを漬けてはならないという事です。
FCRは非分解部分にもゴムパーツが使われています。
ゴムパーツが溶けてしまうと清掃でもなんでもありません。
大惨事になってしまいます。ご留意くださいませ。

FCR初心者向け-中古のFCRを購入したら…

この投稿に記載している内容全てが中古FCRを購入したら…という点でFCR初心者の人が見ている可能性が高いのですが何か書きます。
中古のFCRで悩んだら逆転蘇生キットを購入してOHしてください。
その他に必要な物はリップシールと浮動バルブです。その他にグリス(ガソリンに溶けないフッ素グリス)
中古ならではの劣化に悩まされる事はございませんし、セッティングパーツもそろっています。
すぐにFCRライフを満喫できる超優秀商品であることに間違いはありません。
工具についてもどこまで揃えればよいかなどは基準がないかもしれませんが、逆転蘇生キットを取り扱う事を基本に工具を揃えておけば問題はありません。
きっと幸せになれます。

FCRセッティング-中古FCRを購入したが、アイドリングが安定しない、走り出すとバックファイヤーする【まとめ】

前提としてバイクの調子が良くて、FCRにもトラブルが無い事を前提に書いております。
要するにセッティングの要因です。
どうしても、上手くアイドリングしないなどがあれば、取付などの不備や、取付中にプラグコードが外れたなどのトラブルも考えられます。ほとんどのケースが自分の意識の外の見落としです。
アイドリングが安定しなくてもエンジンがかかる状態であれば、トラブルシューティング出来る部分はありますし、問題の切り分けが容易になる場合も多いと思います。むしろ、エンジンさえかかってしまえば、あとは燃料の供給が出来ているか?2次エアーの吸い込みはないか?ジェット類にゴミは噛んでいないか?FCR内のフューエルラインに詰まりはないか?
など、バイクではなくてFCRの方に問題を切り分ける事が出来ます。
バイク本体の問題であれば、プラグコード廻りのヒューマンエラーがほとんどかなと思います。
他にはカプラーが抜けているや断線なども考えられます。
中古のFCRを取付ける前はノーマルキャブでバイクを運用していたと思います。
バイク本体で起こっているトラブルがあるとすれば、FCRを取付ける際の不手際な可能性が高いです。
というわけで、中古FCRを購入後にバイクを運用する事に関して、色々と書きました。
現在の私が思いつく事はおおむね書いていますが、この他にもチェックするポイントはあると思いますが、
個人DIYで作業をすると2重チェックは出来ませんし、気が付かないトラブルは多々出て来ます。
このブログを読んでチェックしていない項目があれば、ぜひ一度確認をしてみてくださいませ。
それではシーユーアゲイン!

写真ギャラリー

工具類など、参考になりそうな写真を掲載しておきます。

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